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CVE-2022-0847 の詳細

CVEの情報

説明:
A flaw was found in the way the "flags" member of the new pipe buffer structure was lacking proper initialization in copy_page_to_iter_pipe and push_pipe functions in the Linux kernel and could thus contain stale values. An unprivileged local user could use this flaw to write to pages in the page cache backed by read only files and as such escalate their privileges on the system.

CVE更新日: 2022-03-10 17:44:57.283000

CVSSバージョン: 3.1

CVSSスコア: 7.8

KEVの情報

KEV更新日: 2022-04-25

EPSSの情報

EPSSは脆弱性が今後30日以内に悪用される確率を予測するスコアリングシステムで、FIRST(Forum of Incident Response and Security Teams)が提供しています。
EPSSのスコアが高いということは、攻撃されるリスクが高いことを意味するので、早めの対策が必要です。

EPSSスコア: 0.927950000

EPSS更新日: 2026-10-16 00:00:00

SSVCの情報

SSVCはカーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が提案する脆弱性の評価手法です。ステークホルダーごとに脆弱性対応の優先度を決定することを支援します。
本サイトでは、CVE、KEV、EPSSの内容からExploitation(悪用状況)、Technical Impact(技術的影響)、Automatable(自動攻撃の可否)を判定します。

Exploitation: active

Technical Impact: high

Automatable: False

AIを使った解説

解説:

CVE-2022-0847 (Dirty Pipe) について、以下の観点で解説します。

1. 脆弱性の概要

CVE-2022-0847は、「Dirty Pipe」と名付けられたLinuxカーネルにおけるローカル権限昇格の脆弱性です。この脆弱性は、Linuxカーネルのcopy_page_to_iter_pipe関数およびpush_pipe関数において、新しいパイプバッファ構造体の"flags"メンバーの初期化が不適切であったことに起因します。これにより、権限のないローカルユーザーが、読み取り専用ファイルによってバックアップされたページキャッシュ内のページに任意のデータを書き込むことができ、システム上で特権を昇格させることが可能になります。

この脆弱性は、2016年に発見された「Dirty COW」(CVE-2016-5195)と呼ばれる別の権限昇格の脆弱性と類似していますが、「Dirty Pipe」の方が悪用が容易であると指摘されています。

1.1 影響

この脆弱性が悪用されると、ローカルの攻撃者がシステムの任意のファイルの内容を上書きすることが可能になります。これにより、例えば「/etc/passwd」のような機密ファイルやSUIDバイナリ(root権限で実行されるプログラム)を改ざんすることで、root権限への特権昇格が容易に実現されます。攻撃者は、新しいrootユーザーを作成したり、SSHキーを不正に作成したりすることも可能です。また、コンテナ環境においても、コンテナ内でファイルが変更されることで、ホスト上のファイルに影響を与える可能性があるとされています。ログファイルや設定ファイルの破損も引き起こす可能性があります。

1.2 深刻度

CVE-2022-0847は、非公式にCVSSスコア8.8(Critically severe)という非常に高い深刻度で評価されています。Red Hatは、この脆弱性を「Important」としており、CVSSスコアは7.8と評価しています。CVSSv3.1のベクトルは、AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H です。

2. 対象となる環境

2.1 影響を受けるOSバージョン

この脆弱性は、Linuxカーネルバージョン5.8以降に影響を与えます。具体的には、以下のバージョンが修正される前のカーネルが影響を受けます:

  • Linuxカーネル 5.16.11未満
  • Linuxカーネル 5.15.25未満
  • Linuxカーネル 5.10.102未満

また、Linuxカーネルを使用しているAndroid 12デバイスも影響を受けます。FedoraやRed Hat Enterprise Linuxなどの特定のLinuxディストリビューションも影響を受ける可能性があります。

2.2 影響を受ける設定

この脆弱性の悪用には、特段の影響を受ける設定は必要ありませんが、ローカルユーザーによるアクセスが必要となります。 Red Hat Enterprise Linux 8では、PIPE_BUF_FLAG_CAN_MERGEフラグを利用する既知の攻撃ベクトルは利用できないとされていますが、根本的な初期化の不備は存在するため、他の悪用方法が存在する可能性は排除できないとされています。

3. 影響を受けた時の兆候

  • ログファイルが予期せず破損する。
  • 不審なプロセスがroot権限でファイルを書き換えている。
  • 通常アクセスできないシステムファイル(例: /etc/passwd、SUIDバイナリ)が改ざんされている。
  • システムに未知のrootユーザーが作成されている、またはSSHキーが不正に追加されている。
  • システムやコンテナ内で異常な活動や権限の昇格が疑われる挙動が確認される。

4. 推奨対策

4.1 本対策

唯一かつ最も効果的な対策は、影響を受けるLinuxカーネルを修正済みのバージョンにアップグレードすることです。

  • Linuxカーネルの修正済みバージョン:
    • 5.16.11
    • 5.15.25
    • 5.10.102

Androidデバイスの場合も、製造元から提供される最新のシステムアップデートを適用する必要があります。利用しているLinuxディストリビューションのベンダーが提供するセキュリティアップデートを確認し、速やかに適用してください。

4.2 暫定回避策(緩和策)

この脆弱性に対する直接的な暫定回避策は、ほとんど存在しないとされています。

  • 攻撃にはローカルユーザーアクセスが必要なため、システムへの不正なローカルアクセスを防ぐための一般的なセキュリティ対策(強力な認証、最小権限の原則など)は依然として重要です。
  • AppArmorやSeccompなどの既存のシステム保護メカニズムは、この脆弱性の悪用を防ぐことはできません。
  • SELinuxによる緩和策の可能性も言及されていますが、具体的な有効な手法や効果については不明確です。
  • 読み取り専用でファイルをマウントしても、この脆弱性は読み取り専用ファイルの上書きを可能にするため、限定的な効果しか期待できません。

したがって、カーネルのアップデートが唯一かつ最も確実な修正方法とされています。

参照したサイト

NVDサイト

NVDでCVEの詳細を見る

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